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ソフトウェア資産管理(Software Asset Management)では企業の保持ライセンスをルール面、財務面から適宜にソフトウェア資産を管理することができます。マッキンゼー・アンド・カンパニーとSand-Hillの統計で、30%以上のIT予算はソフトウェアライセンスとメンテナンスに使われています。ここからでもその重要性が分かります。そして、同じく重要なのがIT産業の技術管理とその管理ツールです。必要なのはインストールしているハードウェアとソフトウェアを把握すると同時に、ITリソースを全面的に管理することです。

ソフトウェアリソース管理によくある難点

  • 端末とサーバを全て整理して、かつその場所も把握しているか?
  • 社員が端末にインストールしているソフトウェアを把握しているか?
  • 棚卸しでは仮想マシンとThin Clientをカウントしているか?
  • 社内の購入状況を把握しているか?
  • 購入履歴が揃っていて、購入したソフトウェアであると証明できるか?
  • 社内で許可されているソフトウェアを把握しているか?

ソフトウェア資産管理の範囲は購入管理、資產棚卸、ライセンス管理(SLM)、リソース分配、パッチ更新管理などがあります。その中でもライセンス管理は経済的・法的リスクが一番高く、正確に管理する必要があります。

ソフトウェアライセンスの分類

ソフトウェアライセンスはソフトウェアベンダー(ライセンス所有者)と端末ユーザ間の法的協議で、ユーザがソフトウェア、アプリケーションに対して実行できることとできないことの権利を定義しています。ライセンスにはいろんなタイプがあり、企業では使わないタイプを除外すると、以下の種類があります。

  • Capacity Based License

CPUやHDD、ディスク、他ハードウェアコンポーネント容量を基準に設定する。

  • Client Access License (CAL) (クライアントアクセス使用権)

ユーザやデバイスが直接的または間接的にサーバに接続し、当該ソフトウェアの機能を使用する。

  • Concurrent License (同時使用ライセンス)

複数ユーザが同時に当該ソフトウェアにアクセスして使用できる。ライセンス使用数は同時接続数でカウントし、ネットワーク接続ライセンスとも言える。

  • Enterprise License (企業ライセンス)

企業(会社のステーション、部署)全体がライセンス合約の定義に含まれている。

  • Freeware(無料ソフトウェア)

使用ライセンスを購入する必要がないが、ライセンス自体は開発者が所有している。

  • Free Software (フリーソフトウェア)

使用ライセンスとソフトウェアを無料で提供し、ユーザはソフトウェアを使用、シェア、コピー、変更できる。商用利用時は別途制限がある場合が多い。

  • Processor Based (プロセッサー/コアライセンス)

ライセンス許諾された端末やデバイスのプロセッサーやコア数に関連する。

  • Subscription License (サブスクリプションライセンス)

サブスクリプション期間内にのみライセンスが許諾され、期間後は継続しない限り使用権限が剥奪される。

  • Trial License (試用ライセンス)

試用バージョンのライセンスで、試用期間後は正式ライセンスを購入するか削除する。

  • Shareware (共有ソフトウェア)

「共有ソフトウェアライセンス」ともいう。非商業利用時はほとんどが無料ソフトウェア(freeware)になるが、商用利用時も購入や削除前に試用できる。

  • Upgrade License (アップグレードライセンス)

アプリケーションを旧バージョンから新バージョンにアップグレードする際、通常ベンダーはキャンペーンプランを提示してユーザへアップグレードを促す。

  • Volume License (大量ライセンス)

大量ライセンスは基本端末数やユーザ数でカウントする。

  • Embedded License (バンドルライセンス/DSP版/OEM版)

バンドルライセンスと呼ばれ、特定端末やハードウェア・ソフトウェア以外で使用できないような制限がある。

以下は管理のメインをソフトウェアのタイプ「試用版(Trial)/大量ライセンス(Volume)/一般ライセンス/バンドル (Embedded)/サブスクリプション(Subscription)等」に分けて、資産管理ツールをどのように活用すべきかを説明します。

〇:資産管理ソフトウェアでの管理に適している
×:資産管理ソフトウェアでの管理に適していない
-:管理不要

ライセンスタイプ 資産ソフトで管理 ライセンス管理説明
Capacity Based License 〇(手動) • 手動でライセンスを配置する必要があり、ユーザ自身の確認も必要
Client Access License (CAL) × • クライアントにソフトウェアがインストールされていない場合は端末インストール数で数を計算できない
• 配置方法もユーザ、デバイス、ライセンス方式によって異なる
Concurrent License × • インストール数は通常ライセンス保持数と同等か、より多くなるかのどちらかで、制御ポイントも当該ソフトウェアライセンスサーバにある
Enterprise License  
Freeware -  
Free Software 〇/- • 商用使用時はライセンスを購入する場合がある
Processor Based 〇(手動) • 手動でライセンスを配置する必要がある。管理者も能動的に内容と対象を確認する必要がある
Subscription License • 使用期限の制限
Trial License  
Shareware • 商用使用時はライセンスを購入する場合がある
Upgrade License  
Volume License  
Embedded License • 端末(OEMなど)、ハードウェアを指定する必要がある。バンドルソフトウェアだと不適切な場合がある

 

ソフトウェアライセンス管理フロー

1. 収集と分類:ソフトウェア資産収集ツール(TSFクライアントなど)でクライアントにインストールされているソフトウェアリストを回収します。これらのソフトウェア一覧からソフトウェアの性質を元に分類します。うち、既知のツール類、ドライバー、フリーウェア、無料ソフトウェアなどは管理不要に分類できます。

2. 購入管理:購入履歴を作成して、ソフトウェアのライセンスタイプ関連属性を定義、購入数も記入する

3. ライセンス配置(SLM):ソフトウェアが定義したライセンスタイプでライセンスを配置する

4. 追跡と保守:ソフトウェアの追加、削除、変更、ライセンス回收等

ライセンス分配方式

資産管理ツール(TSFクライアントなど )は基本自動配置機能があり、インストール数と購入数を自動計算してくれます。大量ライセンスはこのような配置方式に適しています。これ以外だとソフトウェア資産管理者が手動で指定する必要があります。指定対象は端末やユーザなどがあります。ただ、実際にライセンスを配置する作業には以下の問題点が起きる場合もあります。

  • 同じソフトウェアの名前、バージョン/バージョン番号など異なる問題。同じ会社の製品でもソフトウェア名が異なる場合があり、同じソフトウェアとしてカウントするかどうかで困る。例えば「Windows 10 Pro」と「Windows 10 Enterprise」
  • デグレードして、異なる世代のバージョンを同時に使用する場合もある。例えばWindows 10を購入したが、Windows 8.1 、Windows 7しかインストールしていない場合、インストールと購入数の計算に困る。
  • セット購入したソフトウェアなどはMicrosoft Office 2016 Professional Plusのように、ライセンス自体はAccess, PowerPoint, Excel, Outlookがあるが、Word, PowerPoint, Excelしかインストールされていない場合も数の計算に困る。

セットソフトウェア
複数ソフトが同じライセンス

Office Professional Plus 2016

・Word 2016
・Excel 2016
・PowerPoint 2016
・OneNote 2016
・Outlook 2016
・Publisher 2016
・Access 2016
・Skype for Business
・Office Online

ソフトウェアの別名
同じ名前で表示が違う

Windows 10 Enterprise

・Windows 10 Enterprise
・Windows 10 Professional

 

Office Pro Plus 2016

・Office Enterprise 2016
・Office Professional Plus 2016

 

ソフトウェア互換
デグレード使用

Windows 10 Enterprise

・Windows 8.1 Enterprise
・Windows 7 Enterprise

 

Office Pro Plus 2016

・Office Pro Plus 2013
・Office Pro Plus 2010
・Office Pro Plus 2007

 

TSFの資産管理モジュールは「ソフトウェアの別名」の機能があり、構成や名前が異なる場合の状況に対応して、ライセンスを正確に計算できます。例えば「Windows 10 Pro」 と 「Windows 10 Enterprise」は同じライセンスになります。ソフトウェアライセンスの複雑さから、企業や情報システム部門は特定メーカー(BSA)のソフトウェアライセンスしか使用しない場合もあり、適切な分類をすれば管理コストを軽減するだけでなくライセンス管理も最適化されます。

企業内のソフトウェアインストール状況の全体を把握して不必要なライセンスを回収(re-harvest)すれば、余分な購入と重複を防いで、保守費も軽減できます。さらにソフトウェアの実働率を統計することで購入の検討基準にも使用できるので、必要のないソフトウェアを購入することもなくなります。以上のような管理はすべてTSFのような資産管理ツールで実施できます。